腸内環境・便秘について
先週「勉強会」を開きました。今回のテーマは「便秘・腸内環境を整えるには?」についてです。
「便秘」は女性のほとんどの方が身近に経験する不調です。
当鍼灸院には、主訴として来院する方は少ないですが、愁訴としてはほぼ全員の方が気になる症状として上げていて皆さん悩まれています。
便秘のきっかけとしては、生まれつきの体質以外では、生活習慣の乱れや睡眠不足、肉食中心の偏った食生活、免疫力の低下、風邪などの細菌で腸内環境が崩れたりなど。
便秘は軽く見られがちですが、以外と他の症状との関連があったり身体に悪影響を及ぼしている事もあるので、不調の改善の早期切り口とし慎重に判断していく事が大切です。その為、ここに来院されている方には、毎回必ず腹部の診察は欠かさず行い状態を把握していくようにしています。
便は健康のバロメーターでもあるので、回数だけでなく排便時は毎日見て嗅いでチェックすることをお薦めしています。
問う鍼灸院に来院する方の便秘の原因として、服薬の副作用、運動不足、太りすぎ、飲食の栄養バランスの偏り、蠕動運動の減少・腸の緊張性、婦人科系や他内臓関連、胆嚢炎、免疫疾患、精神的ストレス過多、腸内環境のアンバランスなどがあげられます。
腸内環境を整える腸内フローラについて
人間の腸内には約1,000兆個以上もの微生物が存在し便を作ったり腸内を掃除しています。またそれら微生物には有用菌と有害菌に分類され、そのバランスをベストな状態で保持する事で、
①健康維持や病気を予防したり、
②アレルギーを抑制したり免疫力を刺激するなど防衛機能を高め、
③老化防止や酸化抑制など「若々しく」保ち、
④痩せやすい体質づくりにも役立つ
なども明らかになってきました。③④は特に女性にとってとてもうれしい事です。
このように腸内環境=腸内フローラのバランスを整えるにはどのような事をしたら良いのでしょうか。
まず、
腸内フローラについて
小腸大腸には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌が生息しています。善玉菌は主に食べ物を分解したり免疫力を高める、感染防止など健康を維持促進する働きがあります。悪玉菌は、たんぱく質を腐敗させ毒素を発生するなど病気の引き金に関係しています。
日和見菌は腸内に一番多く生息していて、健康な時は静かにしているが、体が弱ると腸内で悪い働きをします。例えば、腸内で善玉菌が優位の場合には善玉菌を応援するけど、体が弱って悪玉菌が優位の状態になるとそちらに傾き腸内環境を悪化させて、さらに悪循環へと連鎖していきます。
ですので、日和見菌が悪玉菌に加担する前に、腸内フローラを整えて腸内環境を常に良好に保持する事こそが健康への近道なのだそうです。
理想的には、
善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7
善玉菌として:乳酸菌・ビフィズス菌
悪玉菌として:大腸菌・ウェルシュ菌・ブドウ菌
日和見菌として:大腸菌(無毒性)・連鎖球菌・バクテロイデス
が代表菌として生息しています。
腸内フローラはどうやって出来るのか
腸内環境は生後1年までに獲得します。
赤ちゃんはお母さんの胎内では無菌状態でいますが、産道を通過する時にお母さんの菌、また、呼吸をする事で空気中にある菌、お医者さんや看護師さん達に触れることでその菌も体内に取り込んでいきます。
また、お母さんの母乳で育った場合は母乳に含まれているオリゴ糖によって腸内細菌のビフィズス菌が増えて腸内フローラを獲得していきます。生後半年以上は母乳で育てた方が良いと言われるのはことためです。
このようにして、生後1年までには赤ちゃんの腸内環境が整ってきて、ビフィズス菌が増えるのと同時に悪玉菌や日和見菌も生息し、だんだんと免疫力を獲得していきます。このようにして獲得した腸内フローラは、生涯その人だけのオリジナルとして保持していきます。
最近では「赤ちゃんといっぱい触れ合って」と指導するようになりました。授乳だけでなくおんぶやだっこするなどいっぱいスキンシップする事でさまざまな菌を取り込んで免疫力を獲得していくからだそうです。
それでは
腸内フローラを整えるには?
どのように取り組めばよいのでしょうか?
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