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体質改善に対する鍼灸

 体質は生まれつきの要素が大きく関係していて、さらに生活していく中で周りの環境や食生活、加齢などによっても影響してきますので、体の不調やトラブルは、比較的それらの延長上に現れやすくなります。ですので、気になる症状や体型など外見の特徴から自分の体質を知ることが大切です。自分に合った毎日の健康管理、食生活、体質改善法、治療法をみつけて、トラブルや症状の悪化を未然に防いで、予防していただきたいです。

 

 東洋医学の鍼灸治療で以下のような研究報告が上げられています。「鍼灸治療によって、白血球の数が増加し血流の速度が良くなったり、施術を継続する事でリンパ球も増加した。」

鍼灸施術では免疫機能を増進させ病気にかかりにくい体質への改善が期待できます。当院では、3か月から1年かけてゆっくり定期的に刺激を入れて行く事で、リバウンドしにくい体を作り上げていきます。

ただ、あくまで体質改善のための鍼灸施術は未病の段階でのアプローチであって「東洋医学的予防医療」ですので病気を治すわけではありません。また、体質と全く無関係な病気にかかることもありますので、ある一定の期間施術を続けても症状が改善しなかったりさらに悪化したり長引く時には検査を受診していただくようお薦めしています。

 

 

東洋医学からみた体質とは?

 

自分の体質はどのタイプなのかを知りましょう。

東洋医学では、体質を見分ける時のポイントとなるのは、人体を構成している「気」「血」「津液」と「陽気」のバランスです。これらが乱れると症状や病態が発症すると考えます。不足している虚証タイプの「虚弱体質」と、過剰になり過ぎている実証タイプの「代謝障害体質」の2つに分けられます。

 

■ 虚弱体質タイプ ■

 

①風邪を引きやすく疲れやすいタイプ ・・・

  気が不足している「気虚体質」

「気」とは身体のエネルギー源の事です。元気がなかったり、栄養不足、病気や過労などが原因で「気」の作用が低下してしまうと、新陳代謝が低下して五臓六腑の働きが悪くなります。また、体温が低下すると抵抗力も下がってしまい疲れやすくなったり病気にかかりやすくなります。このタイプの人は、全身の疲れ、食欲不振、息切れ、勢力減退、精神衰弱などが現れやすくなります。

 

②めまいや顔色が蒼白で疲れやすいタイプ ・・・

  血が不足している「血虚体質」

血を作る働きが低下していたり、月経過多や外傷などで取穴量が多いい事が原因で血量が不足したり血成分の不調があると、顔色が真っ白、頭部の髪や肌の潤いが失われる、目がかすみ、筋肉、爪の変形、月経異常、手足のしびれなどの症状が現れます。

 

③乾燥するタイプ ・・・

  水分(津液)が不足している「虚痰体質」

栄養不足、不摂生な飲食、熱邪による汗のかき過ぎ、更年期症状などホルモンのアンバランスによる寝汗などで体の水分が過剰に排出されると、口喉鼻の乾燥、肌のたるみ、紙のつやがない、便秘などが現れやすくなります。

 

④寒がりタイプ ・・・

  気虚体質で体を温める機能が著しく減退して起こる「陽虚体質」

体を温かく保持する為には。体内に陽気(熱)を発生させなくてはならす。熱産生には、食事や運動、腎陽の働きが活発でないとなりません。しかし、何らかの原因でそれらが低下すると、臓腑の働きが低下して、体力がない、体が冷えやすい、水分の巡りが悪くてむくむ、また、腎精不足からくるものとして、骨や歯がもろくなる、耳鳴り、めまい、無月経、月経不順、勃起障害、便秘、排尿異常などの症状が現れやすくなります。

 

⑤熱がこもって火照るタイプ ・・・

  血虚体質と虚痰体質て冷却機能が低下して起こる「陰虚体質」

水分(津液)がさらに不足して冷却不足が起こり体内に熱がこもってしまうと、「虚痰」の症状に加えて、されに、から咳、肌や紙がかさかさし潤いがない、頬が赤い、夕方になると熱っぽくなる、足腰がだるい、不眠、集中力がない、めまい、耳鳴り、寝汗、便秘などの症状が現れやすくなります。

 

 

■ 代謝障害タイプ ■

 

⑥イライラしやすく、痛みやコリがいっぱいあるタイプ ・・・

  気が滞っている「気滞体質」

健康な体内では「気」は常に働いてすみずみまで巡っていますが、「気」の流れがスムーズでなくなると、様々なトラブルが起こります。

外邪の侵入、栄養失調、精神的ストレスや血行不良、気の巡りに関係している「肝」の不調などが原因で「気」が滞ると、たまった「気」を発散せせる為に、おならやげっぷが多くなる、イライラしたり憂鬱感が起こりやすくなります。また、「気」が詰まるとその部分が張ったり痛みが起こったりして、女性なら月経痛、胸が張るなど、さらに、熱が発生すると、お腹の張り、胸が苦しい、イライラする、不眠などが起こやすくなります。

 

⑦唇と歯茎が紫色で肌が浅黒いタイプ ・・・

   血が滞っている「お血体質」

寒邪による不調(血の巡りが悪い)、熱邪による不調(血がネバネバする)、血の巡りに関係の深い臓器(心・肝)の不調、食事の不摂生(脂っこい物・お酒・喫煙など)が原因でお血が形成されると、月経痛、神経痛などの痛みが起こったり、便秘、くすみ、目の下のくま、血行不良による肩こり腰痛、子宮筋腫などの病気を引き起こしたりします。

 

⑧むくみやすくて肥満タイプ ・・・

  水分(津液)が滞っている「痰湿体質」

水分を運ぶ働きと関係の深い臓器(肺・脾)の不調が原因で余分な「湿」が体に溢れると、脂肪太り、水太り、むくみ、体が冷える、「血」や「気」の巡りが悪くなる、アレルギー性鼻炎。気管支喘息、関節炎、蕁麻疹などを引き起こしたりします。

 

⑨暑がりでがっちりしたタイプ ・・・

  「血」「気」が過剰になり熱化して興奮しやすい「陽盛体質」

熱が加わり旺盛化すると熱が上昇していることタイプの人は、頭痛、耳鳴り、眩暈、不眠多夢、顔の火照り、目の充血などが起こりやすくなります。

さらに、血が熱化すると、心熕・狂躁が現れたりします。

 

 

⑩  ⑥+⑦+⑧+⑨+ 吹き出物が多く肥満タイプ ・・・

     「痰湿+陽盛体質」

「血」「気」とさらに水分(湿)も過剰になり熱化して滞っているこのタイプの人は、吹き出物、吐き気、蓄膿症、鼻炎、気管支炎、慢性胃炎、化膿性の炎症を引き起こしたりします。