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Q: 服薬しながら人工授精とタイミング法をしています。最近月経血が少なくなってきたのですが鍼灸で対応できますか。

 結婚が遅かったのですぐ産婦人科に通院。そこでは、卵胞の育ちがやや遅いと言われたので、出来る時には服薬をしながらタイミングがあえば人工授精をしています。しかし、最近では月経血の量が以前の半分ぐらいになり、3日で終わってしまうことも多くて、心配です。
産婦人科では内膜の厚さは7.8mmと言われました。月経周期は30~36日前後で二相性。若い頃に1度中絶の経験があり、小さい子宮筋腫が2個あります。私は体質的に冷え性なので、鍼灸に行く前にヨガをしたり半身浴をして体を温めるようにしてはいますが2,3日ぐらいしか持続しません。お腹や腰回りの冷えもあるので子宮や卵巣の血の巡りが悪いのかなぁとも感じています。夫と話してはいるのですが体外へステップアップまだするつもりはありません。当分は自然でタイミングをとるか人工授精の治療を続けていくつもりです。

(Mさん・35才・鍼灸の通院歴は10ヶ月))

 

 

A : 内膜の厚さがどのくらいあれば良いかはいろいろいろな意見はありますが、7mm以下だと着床率に何らか影響があるとの報告もあります。月経血は子宮内膜がはがれて出てきたものですので量が少なくなったのは内膜の厚さが充分でない可能性があります。西洋医学では薬でコントロールしていきますが、東洋医学の鍼灸では、月経リズムを「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つの時期に分け、女性ホルモンの分泌に合わせて鍼灸治療を施していく方法「月経周期療法」があります。

 

 

内膜の厚さに関係しているものはなんでしょう?

 

月経周期に合わせて黄体ホルモンと卵胞ホルモンが分泌されていますが、その女性ホルモンが適切な時期に適切な量をバランスよく分泌する事で内膜を厚くしてふかふかな質の良いものに整えていきます。女性ホルモンの状態は検査でわかりますので確認できれば、それほど心配する事はないかと思います。
 
次に、子宮への血流量が内膜の厚さに関係している事もわかってきました。ホルモンが充分足りているにもかかわらず子宮への血流量が不足している虚血状態であれば、やはり内膜が充分に厚くならず卵子が育ちにくくなるいという場合もあります。腹部周辺が冷えている方や内臓に冷えが入り込んでいる場合にも血の巡りが悪くなるので外気温に合わせて腹巻をしたりカイロをするなど対策の必要です。

また、服薬をされている場合は副作用を再度確認されるのがよろしいです。薬との相性もありますが、副作用として内膜の厚さに影響を与えるものもありますので、医師に確認されるのが良いかと思います。。

Mさんの場合中絶の経験があるとの事ですが、原因の一つとして掻爬(そうは)手術の場合は内膜が薄くなるとの考えもあるようです。

 

 

 

Mさんに施した施術は・・・

 

基本的は「月経周期療法」の

①ホルモンバランス  ②血の巡り  ③自律神経を整える

を軸にさらに体質を考慮した施術を組合わせていきました。

 

 

 Mさんの所見から、基礎体温が二相性ではありますが生理周期が時に36日前後と長めになる時期がある事、月経血に塊やお血が無い事、たまに激しい生理痛があり大きな乱れが生じる事、季節の変わり目に寝汗と動機が頻発する事などから、

→ 鍼灸施術は、

基本的に月4回(週に1回)程度の通院と、春と秋口になると低温期が3週間以上続く場合が有りましたので、季節の変わり目時とホルモンバランスの乱れから来る体調不良を発症した時には通院頻度を多めにして調整しながら施術をおこなっています。

 

 

 

鍼の感受性や反応はお一人お一人違います。

 

 すぐにお身体の変化を感じていただける方もいれば、半年以上かかる方もいます。 しかし、定期的にしっかり通院していたくと約7割の方で身体の改善を感じさらに良い成果も期待できます。

 季節の変わり目には、朝晩と寒暖差も激しくなりますので、予防の意味でも、また、健康な状態を長くキープしていただく意味でも定期的に受けていただきたいと思います。