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下痢と鍼灸について

梅雨明けからは、夜になっても気温が下がらず真夏夜が続いていたので、なかなか寝つけなかったり、途中で何度か目が覚めたりと睡眠不足が続いたりしていませんか。十分な睡眠がとれていない日は、私は日中の空き時間を利用してお昼寝を取るようにして対処していました。

 前回「今年はめまいを発症している方が多いい」と書きましたが、今月はリウマチやアトピー・水虫などの皮膚の症状が悪化したり、胃腸の機能が弱まって食欲低下や下痢を起こしている方も何名かいました。

今回はその中の下痢について書きます。

 

 

下痢と鍼灸治療

 

 下痢は、水分を吸収する力が低下して便の水分量が増えてしまった状態です。
東洋医学では、消化吸収の働きを司っている「脾と胃」の慢性的な損傷により機能低下がおこり、さらに脾胃の働きを補助している「肝」の気の巡りが乱れて下痢になると言われています。。

 

 

東洋医学から見る下痢のタイプ

 

●老化や冷えやすい人で起こるタイプ(腎陽虚)

慢性病がある人
腹痛とともに排便する
明け方下痢をする
未消化の物が便に混じる

→脾胃を温める陽気が不足している為、冷たい飲食や冷え過ぎたアルコールのり過ぎで消化器系の機能低下が起こり水分が多いい下痢をします。陽気が少なくなる明け方に特に下痢になりやすいです。

 

 

●油ものの取り過ぎ不摂生で起こるタイプ(脾虚)

疲れやすい
食後眠くなる
さっぱりした食べ物を欲しがる
水のような便になる

→脾胃の働きが低下して虚弱状態になり、食べ物の消化吸収がうまくできず、消化しにくい脂ものや生ものを食べると腐熟できず下痢をします。
気を作り出す働きがある脾の機能が低下しているため、気の巡りが悪くなり疲れやすくなります。また、食後は消化の為胃に気が集中するのですぐ眠くなります。

 

 

●精神的な負担やストレスで起こるタイプ(肝脾不調)

すぐ怒る
イライラする
排便がすっきりしない

→脾胃が虚している時に、精神的な問題や激し情動で負担がかると肝の機能低下がおこり気が乱れて脾胃の補助ができず下痢を起こします。腹痛と排便感が頻繁に起こる「過敏性大腸症候群」もこのタイプに入ります。

 

 

 

下痢の鍼灸治療で私が良く使用する穴(ツボ)

 

腎愈・大腸愈(膀胱):温める陽気を補い大腸を整える補
太谿:腎に元気を補う
陰陵泉・大衝:脾胃と肝を整えて気の巡りを調整

 

 

 

さいごに

 

 腸は、食べた物を「消化・吸収する」「水分を回収する」「便を体外に排出する」働きの他に、「全身の免疫を司る」という重要な役割があります。腸に常在している「腸内細菌」が関与して、私たちの体を病気から守る「免疫力」をコントロールしているのです。
腸を良い状態に保持することは、元気で病気しない健康な体を維持するのに密接に関与しています。腸内は外からは見る事はできませんが、排便やおならの《量・匂い・質。量》からだけでもだいぶを読み取れます。健康維持のためにも毎日チェックするようにしてみてください。