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子宮内膜が薄くて着床しにくいので、鍼灸を受けたいのですが・・・

Q:

 何度も移植をしているせいか、最近内膜が厚くならなくて気になっています。移植時に厚みが6-7mmしかないので、着床しているのか判定日までいつも不安でいます。不妊鍼灸で厚くする事はできますか。

 あと、排卵誘発剤でホルモン療法を長期間行っているのも心配です。だんだんと月経血の量が少なくなり以前は7日間だったのが今は3日で終わってしまいます。月経周期も29日から25日と短くなってきてこのままでいいのか気になっています。(Aさん・38歳)

 

A:

 一般的には内膜が7-8mmないと妊娠維持しにくいと言われています。その為、受精卵をしっかり着床させるには、理想としてやはりふかふかな肥厚した子宮内膜 10-12mmの厚さはほしいです。

 

 今回は、内膜が6,5mmでも妊娠出産されたAさんのケースを取り上げます。Aさんの場合、子宮内膜が薄いのは「脾腎陽虚」と診断し、少しでも内膜を厚くするために、① 「脾」の働きを高めて血を増やし「腎」を充実させて生命の源である「先天の生命力」を元気にする鍼灸治療をまず第一に行いました。

「腎」を補い元気にする事で、

・良質の卵子が多くなった
子宮内膜が厚くなった
排卵後の体温の上昇が早期に現れて高温期の体温を以前よりも高温で維持  の改善がみられるようになりました。

 

その後は、「補腎」と併行して、  月経周期が短くて高温期が短い黄体機能不全との事から「腎陽虚」、  7日間あった月経期間が3日に短くなったのは「気血両虚」と診断して、「肝」「脾」の気血の補充も加えて鍼灸を行ないました。

「脾」は、口から入った食物(水穀清微という)を消化吸収して気血を作り出す働きがあります。また、「肝」はその血を集めて貯蔵し、五臓六腑に運搬する働きがあります。適切な臓器(卵巣・子宮)へ栄養(血流量)を増やして運搬作用を促がす鍼灸治療も行いました。

 

  排卵誘発剤でホルモン療法を長期間行っていると、血が滞りやすくなったり局所でお血状態になる傾向がありますので、Aさんの場合も週1か10日に一回は鍼灸を行い、 全身のバランスを微調整した事も妊娠への近道だったのだと感じています。

 

 

Aさんの場合は、①~④ の不妊鍼灸治療を組合わせて行いましたが、体質や症状によって個々変わってきます。

その為、一人一人のお身体に合わせて方針を組み立てていきます。

 

  子宮内膜の厚さを気にするより、ご自分の体質や症状に合った体に良い事を定期的に継続して取り入れて、日常の疲れを極度に貯めない事発散させる事も大切だと思います。