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「人間ドック」は知ってるけど、東洋医学の「未病ドック」って?

みなさんは、1年または2年に1回「人間ドック」は受けられていますか?

私は40才の時から、1年に1回、婦人科系、がんの定期健診を含めてきちんと受診するようになりました。先月も受診してきましたが、東洋医学とは違い、血液検査や画像診断からデーターとして早期に発見できるので検査結果で「異常なし」をいただくとひとまず安心しております。

 

西洋医学の「人間ドック」はがんや高血圧などの初期段階では自覚症状のない病気を重篤になる前に発見する事が大きな目的ですが、東洋医学にある「未病ドック」は心と体のバランスの乱れに注目して、隠れた不調を未然に見つけ出し体質改善を目指す事が目的です。

ストレス過多から来る不調、便秘や睡眠の質の低下、体のむくみや目の疲れ、なんとなくの不調など、西洋医学ではなかなか診断するまでには至らない微妙な症状が続く場合には、一度東洋医学の養生法と鍼灸治療からのアプローチも取り入れてみる事もよろしいのではと思います。

 

当院で鍼灸治療されている方の中でも

「低体温のせいか寝つきが悪く疲れが取れない」

「治療するほどではないが妊娠中糖が出てしまったので心配」

「高血圧で服薬しているが思うように効果が出ない」

「食べ過ぎて胃腸に少しでも負担がかかるとすぐ具合が悪くなる」

「寝起きが悪くいつも眠い」などの

自覚症状をお持ちの方も多いいです。

 

橋本病、糖尿病予備軍、ALS、高血圧などの内分泌疾患や免疫疾患などを患っている方もいらしてますが、うつ病や高血圧などはいきなり発症するわけではなく「未病」のうちからなんらかのサインが出ています。この段階で、食事や睡眠などの生活習慣を見直して取り組めば、病気になってから治療するよりも体への負担はだいぶ軽くてすむ場合があります。

不調があっても男性は女性ほど病院にかからない方が多く未病の段階だとほとんど放置しがちです。ぜひ、ご夫婦で一ヶ月の生活習慣を見直しながら、定期的に自分自身でも体を内観してみる事、自覚症状に目を向けて危険サインをチェックしていただきたいと思います。

なんとなく気がついていた不調が全身的な症状として裏づけされると、自分自身でも定期的に体調管理をするようになり未病への危険なサインにも気がつくようになります。

ぜひお互いにチェックして、来院した時に教えてください。

 

 

【チェック方法】

 

生活習慣の見直しの他に、舌の色や大きさ、苔の具合、 お腹の硬さや便の回数と状態、脈の速さと強さ、などの四診の他に心経上にあるツボの状態を確認していきます。

 

【心経】という経絡はどこにあるかと言うと、「脇から腕の内側を通り小指の先まで通っています。※1

【心経】の生理作用は、主に、血脈を主りながら運行を主宰して全身を潤し養う働きがあります。生きる為に一番必要なエネルギーの運搬が全身に流れるよう管理する【生命活動の中枢】であります。その為、循環器系の症状や疲れていたり、栄養不足などによる不調は【心経】という経絡上にあるツボに現れます。

また、素問霊枢によると「心は君主の官、神明出ず」「心は神を蔵す」と書かれていて、【神明を主り情志思維活動の中枢】でもあります。その為、心臓疾患以外の人間関係によるストレス、うつ症状などの精神症状にも関係しています。 主要穴として「神」という字が入っている経穴「神道・神庭・神蔵・神封・神闕」を治療点として用ています。

また、心臓疾患や精神疾患の他にも、耳鳴りや難聴、慢性副鼻腔炎に対して、また、表裏関係にある「手の太陽小腸経」の経絡とも連絡しあっている事から、胃腸の疲れ、便秘、食欲不振などでも有効性があります。

 

 

※1 「腋下(脇)より上腕内側(内側)を通り、肘の内側(少海穴)を通過して、前腕内側を通って手関節内側の豆状骨上際(神門穴)を経て、小指の末端橈側に終わる。」